おばあちゃんと路面ワゴン

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路面ワゴンは目で追えないほど速いのに、うちのおばあちゃんはよく乗りたがる。しかも僕からすると、ものすごい変な格好で。
毛皮が好きだけどだいたい偽物だ。色はリスみたいな茶色。でっかい帽子も好き。オシャレだけど、いや、くそダサい。
正直隣に乗るのは恥ずかしい。僕はもうそういうのを気にする年なんだ、でもそんな僕の気持ちなんか考えないで好き勝手やるのがおばあちゃんだった。
路面電車はとうの昔に撤廃されたけど、その線路を使ってワゴンが公共の乗り物になった出来事すら、僕からしたら生まれる前ほど大昔のことだ。
このワゴンがものすごく速いんだ、でもAI制御だから自動車より安全っていう触れ込みのせいで年寄りのトレンドになった。
風にあおられる帽子を必死に抑えつけながら、おばあちゃんは僕に大声で話しかける。孫との時間を過ごしたいのはわかるけどさ。
おばあちゃんの話はいつも風に飛ばされてよく聞こえない。
ファンタジー
公開:20/02/15 02:27
更新:20/02/15 22:07

イサナ・フィッシャー

たぶん、夢で見た内容を投稿していくことになると思います。
自作も少しは作りたいけれど、基本は夢からの物語です。

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