永遠の友を夜空に捧ぐ

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風が強い夜だった。
寝入り端、どこかから飛んできた枝やら塵やらがぶつかる音に起こされた。
かつん……ごっ、こつ、こっ。
窓が割れたらかなわない。おれは雨戸を閉めようと、窓を開けた。
「ようっ」
下の道路でバイクにまたがった友が手を上げていて、大きな無声音という器用なやり方でおれを呼ぶので、同様に「ぶっつけたの、お前か?」と無音で叫ぶ。
「晴れたからよ、流星群、行こう」
確かに先程までの雨は止み、うっすらと星も見えている。だが、「おれは寝入るとこだぞ」
「ひとっ走りさ、行こうよ」
ちょうど気分が沈んでいた。湿った秋風も心地良い。魅力的なお誘いだ。
しかし、おれはまだまだ若い。
「行かねぇ。また、今度な」
「ちぇっ、じゃ、一人で行くよ!」
そうして友は去った。
33年前の夜と同じように。若いまま、ひとりきりで。

次こそは、一緒にいってやってもいい、と、本当に、そう思って、おれは泣いた。
青春
公開:24/05/09 00:08

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