味覚と性格

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「神崎先生って甘いよな~。」
「ああ~確かに。昨日も一組の宿題、なんだかんだで音読だけにしてたし。」
「それでさ。なめてみたんだ。」
「んん?」
「本当に甘いのかなあって思って。舌でべろりと。」
「マジで?」
「ちょっと怖いくらい甘かったよ。噓だと思うなら後で一緒になめにいこ。」
つまずいたフリをしてなめてみることにした。
「ギャー神崎先生危なーい(棒)」
どすう(べろりん)
「ごめんなさーい。」
逃げる。
「甘、かった。」
 神崎先生=人に甘い人が甘いという情報は学校中に広まり、みんなが甘い人をなめるようになった。
 半年がすぎ、うちの学校には辛口で意地悪な人が増えた。あの神崎先生も、毎日生徒を叱る鬼教師になった。
 理由は明確だ。みんながなめすぎて、甘い部分が無くなり、辛い部分が出てきてしまったのだ。
 辛い部分を全てなめたら、今度はしょっぱい部分が出てくるのだろうか。
青春
公開:23/10/15 11:24
更新:23/10/15 18:39

佐都呂みんみ( 神奈川県 )

ショートショート、ミステリー、ファンタジーが大好きな中学生です。
趣味で書いています。
刺激的なものは書けないかもしれませんが、よろしくお願いします。
「田丸雅智さん」「青柳藍人さん」「日向理恵子さん」の本が好きです。

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