ペット

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 私のペットが夕飯作ってくれてるから帰ると言うと、友人は「ヒモでしょ」と笑った。
「違います。ペットです」
 私は言った。
 帰ると、彼は待ちかねたように玄関へ飛んできた。
「今日は君の好きなパスタだよ」
「ありがとう。よしよし」
 撫でてやると嬉しそうに甘えて来る。
 可愛い可愛い私のペット。

 そのペットが車に轢かれた。
 信号無視で突っ込んで来た車から私を庇ったのだ。
 彼は道路でぺっしゃんこになった。
 なったが、すぐにシュルシュルと犬の形になって私の後ろから走って来た。どうやら壊れてはいないようだ。
 数センチ置きにセンサーと自動制御システムが組み込まれた一本の紐状の本体は、使用者の好みに応じて形状を変えることができる。
 好きな動物の形にもなるし、人型にして家事をさせることもできる。
 今や生活に欠かせないパートナー。
 ただの「ヒモ」じゃないのだ。
SF
公開:19/06/15 10:35
更新:19/06/16 08:30

堀真潮

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Twitter  @hori_mashio
tamanegitarou1539@gmail.com

 

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