身の丈に合った服

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美しい礼服をフルオーダーできると噂の仕立て屋に来た。来月の社交会のための衣装を拵えよう。入るや否や、店員がそそくさ寄って来て案内を始める。
「当店ではお客様お一人に対し、様々な測定を経て最高の一着をお作りいたします。まずはこちらへ」

身長、体重など基本的な測定が終わると、なぜか自身の来歴や、心理テストのようなものをひたすら紙に回答させられる。だけでなく、小さな箱に砂や人形で庭を作れだとか、店員に五分間スピーチしろだとか。なんだか苛々してきた。
「なぜこんなことを測るのかね」
「お客様の身の丈に合った服を作らねばなりませんので」
「身の丈の採寸などメジャーで十分だろう」
「いいえ、私が申し上げる身の丈、とは内面のことでございます。すなわちあなたの心の質ということでございます、お客様。身の丈に合わない服は、あなたをかえって貧相に見せてしまいますよ」

選ばれた生地はざらつき、色も褪せていた。
ファンタジー
公開:20/02/21 01:41
更新:20/02/21 16:52

イサナ・フィッシャー

たぶん、夢で見た内容を投稿していくことになると思います。
自作も少しは作りたいけれど、基本は夢からの物語です。

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