庭の秘密

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久しぶり。一年ぶりだな。
出会い頭に兄がそう言った。
今日は両親の命日。両親が死んだ年から兄はこうやって喫茶店に呼び、どこかの庭の話をする。
少し時間が経って、兄が口を開いた。
「俺が毎年、実家の思い出を話していたのは覚えてるか?」
「庭の話しかしてないよね。あれって実家のだったの」
私は今までの兄の話を思いだす。
『庭には梅の木が植えてあり、枝が伸びてきたら叔父が切りそろえていた。
母と一緒に育てたプチトマトの実がなり、飼い犬も熱中症予防に食べていたり。
天気のいい日には父と一緒に本を読んだり』
私に秘密にされていた憤りと孤独感が混ざり、氷の溶けきったグラスを一気に煽る。
その様子に兄は気まずそうな顔をして、あー、と意味の無い擬音を発する。
「そんでさ、今からタイムカプセルを掘り出しに行かないか?お前も書いてたし」
全く覚えていない。けれど口からは行くの二文字が零れていた。
その他
公開:18/02/14 00:42
更新:18/07/13 20:39
月の音色

腹痛

何卒よろしくお願いします
反応に困るようなものしか書けません。
フォロバはしなくてもええですよ

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