7
4

 初雪が降った日、僕はこたつでみかんを頬張りながら、足の先で猫の相手をしていた。猫はこたつの中で僕の足と戯れている。

 雪が止んで、さあ雪で遊ぶぞと腕まくりした日、猫はいなくなった。家の人に聞くが、皆知らないと言った。

 雪が溶け出し、少しずつ景色が変わりつつある頃、僕ら家の者は猫を探していた。猫は、もうだいぶ見ていなかった。

 季節が流れ、お母さんとのこたつ論争に負けた日、持ち上げたこたつの下からボールが出てきた。ボールのことは、すっかり忘れていた。

 春になり、学校で新しい友達が出来始めた頃、僕は球技ができなくなった。ボールが怖くなった。だってーー


 だって、ボールから鳴き声が聞こえたから。

 にゃあーーって。
公開:25/11/09 06:50
犬は喜び庭駆け回り……

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容