虹の釣り竿

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 大雨が止むと、町の人々は嬉しそうに外に走り出た。けれども、それは奇妙
な光景だった。皆々、着ている服が黒色ばかりなのだ。
「あの人たちは……?」
 町に来て間もない私は、近所の人の良いおじいさんに尋ねる。
「ああ、虹に備えているんだよ」
「虹?」
「ああ。虹は天上人の釣り竿でね。とくに弁財天様などはおなご殿だから」
 おじいさんがそう言ったときだった。どこかで悲鳴が上がった。男の声や女の声、無数の声だ。
「今日に限っては、ありがたいのう。ポリスマンもきっとそうじゃろうて」
 通りの向こうからハロウィンメイクに引き裂かれた服を着た若者たちの
「派手な格好で外に出るなって、こういうことかよ!」
「母ちゃんの言うこと聞いとくんだった!」
などという声が聞こえてきた。
公開:25/11/02 17:55

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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