Nomi-Oto
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私の勤める飲料メーカーの企画会議で、麦田さんがプレゼンを始めた。
「私が提案するのは飲む音を録音できるビール、名付けてNomi-Otoです! サンプルをご覧ください」
麦田さんが掲げたのは側面に録音機能を示すRECのボタンが付いた缶ビール。
「ビールを飲む音ってゴクゴクとかグビグビとかありきたりですよね。だからもっと自分らしい飲み音が必要だと思うんです」
そう言って彼女は録音ボタンを押して何かを囁くと缶を開けて一気に飲み干した。会議室中に彼女の録音した「ちゅむももーん」という飲み音が響いた。
「うん、面白い。採用!」
新し物好きの社長の一言で企画は通ってしまった。
社内の誰もが懸念する中、Nomi-Otoは発売された。ところが商品は予想外の大ヒット。
SNSに独自の飲み音を披露する人々が現れ、今や個性的なNomi-Otoが世界に溢れている。
ちなみに私の飲み音は「どんぬすここ〜ん」だ。
「私が提案するのは飲む音を録音できるビール、名付けてNomi-Otoです! サンプルをご覧ください」
麦田さんが掲げたのは側面に録音機能を示すRECのボタンが付いた缶ビール。
「ビールを飲む音ってゴクゴクとかグビグビとかありきたりですよね。だからもっと自分らしい飲み音が必要だと思うんです」
そう言って彼女は録音ボタンを押して何かを囁くと缶を開けて一気に飲み干した。会議室中に彼女の録音した「ちゅむももーん」という飲み音が響いた。
「うん、面白い。採用!」
新し物好きの社長の一言で企画は通ってしまった。
社内の誰もが懸念する中、Nomi-Otoは発売された。ところが商品は予想外の大ヒット。
SNSに独自の飲み音を披露する人々が現れ、今や個性的なNomi-Otoが世界に溢れている。
ちなみに私の飲み音は「どんぬすここ〜ん」だ。
SF
公開:25/11/09 23:58
更新:25/11/05 19:54
更新:25/11/05 19:54
クラフトビールコンテスト
空想と妄想が趣味です。
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蟲乃森みどり