咀嚼するヤギ
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扉を開けると、ヤギがいた。制服を着ている。要件は何かと聞くと、郵便物の集配に来たと答えた。
「郵便物……」
はて、何かあったかと顧みれば、すぐに遠方に出さねばならぬ大事な書類があった。今見直すゆえ、少し待っていてくれと言うと、ヤギは首を振って言った。
「見直しの必要はございません。すべてこちらで処理します」
どういうことか。書類を渡すと、なんとヤギ、それをそのまま口に入れてしまった!
「な、何をするんだ!」
怒鳴ると、手のひらで制される。つい黙ると、静寂にヤギの咀嚼音が響く。そして数分。
「うん、誤字脱字なし、誤用の言葉もなし。あとはこちらで清書を行いまして、先方様にお届けいたしますので」
そう言うとヤギは帰っていった。後日届いた先方よりの手紙にはこうあった。
「ご返事を頂けなかったので、今回の件はお見送りとさせていただきます」
「郵便物……」
はて、何かあったかと顧みれば、すぐに遠方に出さねばならぬ大事な書類があった。今見直すゆえ、少し待っていてくれと言うと、ヤギは首を振って言った。
「見直しの必要はございません。すべてこちらで処理します」
どういうことか。書類を渡すと、なんとヤギ、それをそのまま口に入れてしまった!
「な、何をするんだ!」
怒鳴ると、手のひらで制される。つい黙ると、静寂にヤギの咀嚼音が響く。そして数分。
「うん、誤字脱字なし、誤用の言葉もなし。あとはこちらで清書を行いまして、先方様にお届けいたしますので」
そう言うとヤギは帰っていった。後日届いた先方よりの手紙にはこうあった。
「ご返事を頂けなかったので、今回の件はお見送りとさせていただきます」
公開:25/08/24 17:26
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