5
5

 家族でデパートに行った。パパママの買い物に付き合うのはすぐ飽きてしまうぼく。フロアの端のおもちゃコーナーに逃げることにした。けれど、すぐに自分がどこにいるかわからなくなり、途方に暮れてしまう。
「ママッ?パパッ⁉︎」
 たまらず叫んだ時だ。目の前にぼくと同い年くらいの男の子がいた。どこかで見覚えがある子だった。
「おいで」その子は言った。「戻ろう」
「戻れる?」
 涙声で聞くと、男の子はやさしく、力強く、頷いてくれた。ぼくは彼に頼ることにした。
  男の子の走り方は独特だった。つねに片足を蹴り出して、まるで止まっているように見える。なのに速い。あっという間に男の子は言った。「ついたよ」
 顔を上げると、そこにママがいた。「そうちゃん!」「ママ!」
 ぼくは走り込んでママに飛びつき、やがて顔を上げると、ママに聞いた。
「ねえママ?非常階段の案内って、緑に白の四角だっけ?」
公開:26/01/27 04:18

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容