毛玉猫
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仕事部屋に行くと、椅子の上に毛玉があった。ゴミではなく、それは先日死んだ我が家の猫、トラの毛玉だった。ブラッシングの際、毛玉ボールにして取っておいたのだ。もう見たくないと押し入れの奥にしまい、そこ自体開かずの扉にしたはずなのだが。
不思議なことは、まだ起こった。翌日から少しずつ、毛玉が成長を始めたのだ。ただ大きくなったのではない、それに耳がつき、足が生え、猫の形を形成したのである。
が、それを猫と呼ぶには、ひとつ惜しかった。顔がないのである。おれは手を打ち、押し入れからトラグッズを引っ張ってきた。中には彼が落としたヒゲや爪が取ってある。それからは毎日、ああでもないこうでもないと、トラ再生を試みる日々。家族も巻き込み、完成したのはひと月後。
「やったね、パパ!」
娘が笑う。思えばこれが久しぶりの会話。蘇ったトラは家族に笑顔と平穏、そして絆をも蘇らせてくれたようだ。
不思議なことは、まだ起こった。翌日から少しずつ、毛玉が成長を始めたのだ。ただ大きくなったのではない、それに耳がつき、足が生え、猫の形を形成したのである。
が、それを猫と呼ぶには、ひとつ惜しかった。顔がないのである。おれは手を打ち、押し入れからトラグッズを引っ張ってきた。中には彼が落としたヒゲや爪が取ってある。それからは毎日、ああでもないこうでもないと、トラ再生を試みる日々。家族も巻き込み、完成したのはひと月後。
「やったね、パパ!」
娘が笑う。思えばこれが久しぶりの会話。蘇ったトラは家族に笑顔と平穏、そして絆をも蘇らせてくれたようだ。
公開:26/01/29 09:44
2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)
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さがやま なつき