吾輩は助手である

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 ペンが止まった。物語が書けなくなった。主人公は読書と猫をこよなく愛する中年の男。それを頭に入れ、おれは背後を振り返る。
「トラ、頼んだ」
 愛猫のトラを抱き上げたおれはそっと原稿用紙の主人公の名前の上に下ろす。すると、声が聞こえてきた。主人公が猫に釣られて物語の中で動きを再開した。トラが立派なカギしっぽで主人公の心と口を開けてくれたのである。流れるように語り出す主人公にボイスレコーダーを向け、おれは再びペンを走らせる。某文豪は飼い猫目線の小説を記したが、やはり猫は作家の最上のパートナーといえよう。
 が、ここでおれは最大のミスを冒したことに気付く。というのは我が家のペットは皆小説に出てくる生き物たちで、取っ替え引っ替え協力してもらっているのだが、ここにきてウチにいない動物が出てきてしまった。

「ワニ、は飼えないなぁ…」
公開:26/01/24 17:05

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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