猫カメラマン

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 レントゲン台の上に寝そべったとき、思わず息を止めた。天空を指差し、準備をしている先生に言う。
「先生、あれ…」
 ん?という顔で手を止めた先生は私が指す方を見上げ、「ああ」と声を漏らした。
「驚かしちゃったね。あれは最新式の『猫カメラ』というのでね」
「猫カメラ?」
「うん。見てて」
 そう言うと先生は天井に張り付く猫の肉球を軽く押した。すると猫は「にゃ」と小さく鳴いて、瞳孔を開いた。かわいいサイズになった猫の瞳孔に思わず笑みがこぼれる。
「ね、こんな感じで猫の目がランプの役目をするんだ」
 じゃあ撮影いくよ。そう言って先生がもう一度肉球を押し込み、となりの部屋に行ってしまった。
「はい、息止めてー」
 先生の指示に私は心の中で言う。
(いや、さっきから止まってます)
 見上げる天井では肉球を強く押し込まれたらしい猫が金色の目をギラつかせていた。それはまるでハンターの目だった。
公開:26/01/21 12:09

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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