おちょこ地蔵
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とある夜、寝室で寝る準備をしていると、奇妙な音が聞こえた。こんな音だ。
ずず、ずず、ずずずず。
なんだか気味が悪く、おれは恐々と外を覗いた。と、窓から見下ろす庭に一体のお地蔵さまがいた。
「なぜここにお地蔵さまが?」
そう思ったとき、お地蔵さまが口を開いた。
「先日は、笠をありがとうございました。いい雪除けだと仲間も喜んでおりましたゆえ、お礼に参りました」
笠といえば、少し前に社員旅行で買った。でも正直いらなくて、そこにいたお地蔵さまに被せたんだ。
「ずいぶん遠くから来たね。でも、お礼って?」
「ハイッ!おーい、みんな!」
お地蔵さまが振り返り、誰かを呼んだ。と、草むらから数体のお地蔵さまが現れたから驚いた。
「今日は雪見酒といきましょう、ご主人!」
そう言うとお地蔵さまの体がとっくりに、笠がおちょこに変わった。
お地蔵さまとの酒盛りは、なかなか味わい深かった。
ずず、ずず、ずずずず。
なんだか気味が悪く、おれは恐々と外を覗いた。と、窓から見下ろす庭に一体のお地蔵さまがいた。
「なぜここにお地蔵さまが?」
そう思ったとき、お地蔵さまが口を開いた。
「先日は、笠をありがとうございました。いい雪除けだと仲間も喜んでおりましたゆえ、お礼に参りました」
笠といえば、少し前に社員旅行で買った。でも正直いらなくて、そこにいたお地蔵さまに被せたんだ。
「ずいぶん遠くから来たね。でも、お礼って?」
「ハイッ!おーい、みんな!」
お地蔵さまが振り返り、誰かを呼んだ。と、草むらから数体のお地蔵さまが現れたから驚いた。
「今日は雪見酒といきましょう、ご主人!」
そう言うとお地蔵さまの体がとっくりに、笠がおちょこに変わった。
お地蔵さまとの酒盛りは、なかなか味わい深かった。
公開:25/12/12 23:34
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さがやま なつき