風を切る
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まさか、と思っていた。が、お客様は入ってこられた。丸坊主で、髭もないお客様が、うちの理容室に。
「いらっしゃいませ」
先輩は普通に挨拶をし、普通にお客様を案内した。直後の言葉に、おれは首を傾げた。
「今日はまたゴワゴワされていますね」
(ゴワゴワしてる?どこが?)
気になったが、別の先輩に手が止まっていると注意され、おれは掃除を再開するしかなかった。
お客様の散髪や洗髪を終えたのは、それから二時間ほど後のこと。見たところではお客様のお姿は来た時と変わりがない。が、その直後のことだった。
ブオーッ!
突如突風が吹いて、お客様はダッシュで帰られた。おれはおもわず先輩を見る。「先輩、あれは⁉︎」
先輩は答えた。
「ああ、あれは風聞、悪い噂だよ。それを切って差し上げたから、身が軽くなったんだ。いい走りっぷりだったね」
「いらっしゃいませ」
先輩は普通に挨拶をし、普通にお客様を案内した。直後の言葉に、おれは首を傾げた。
「今日はまたゴワゴワされていますね」
(ゴワゴワしてる?どこが?)
気になったが、別の先輩に手が止まっていると注意され、おれは掃除を再開するしかなかった。
お客様の散髪や洗髪を終えたのは、それから二時間ほど後のこと。見たところではお客様のお姿は来た時と変わりがない。が、その直後のことだった。
ブオーッ!
突如突風が吹いて、お客様はダッシュで帰られた。おれはおもわず先輩を見る。「先輩、あれは⁉︎」
先輩は答えた。
「ああ、あれは風聞、悪い噂だよ。それを切って差し上げたから、身が軽くなったんだ。いい走りっぷりだったね」
公開:25/11/20 23:44
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