それは優しく燦々と

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 昼下がりの電車内。
 乗客も少なく、静かな空気に包まれる。

 うとうとしていたら泣き声が聞こえてきた。顔を上げると、向かいの席で赤ちゃんが泣いている。

 お母さんが抱っこしてあやしているが、なかなか機嫌は直らない。

 何故かこっちまでオロオロしてきた。
 何かしたい気持ちはあるけど、何をすれば良いか分からない。そんな葛藤が巡る。

 するとふと、泣き声が止まった。

 赤ちゃんの視線の先には、シルバーアクセサリーと金髪が眩しいパンクなお兄さん。

 鞄に付けてるチャームを赤ちゃんの前で揺らしている。

 ゆらゆら揺れるキラキラに釘付けの赤ちゃん。途中から笑みが溢れてる。

 お母さんからお礼を言われ、お兄さんは照れくさそうに笑う。
 陽の光に照らされて、チャームよりもキラキラしている。

 その光景を見て『今日は良い日だな』なんて、バレないようにはにかんだ。
その他
公開:25/05/02 21:46
更新:25/05/04 13:53

甘露

真面目にのほほんと書いていけたらと思っております。
下手の横好きですが、宜しくお願い致します。

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