愛は縷々と流転する

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 目の前に長く広い川が流れている。
 「さっきまで楽しくドライブしてたのに...」
 「人生何が起こるか分からないね」

 僕と彼女は並んで立つ。
 「来月は5周年記念だったのに...」
 「またあのイタリアン食べに行きたかったね」

 足元にまで川が広がる。
 「...本当にごめん」
 「ううん、しょうがないよ...」

 水位は胸まで迫ってくる。
 「もっと一緒にいたかった...」
 「そうだね...」

 僕と彼女の間に波が立ち、離される。
 「それじゃあね...」
 「あのね!僕はもういないけどっ、見守ってるから!これからも絶対ひとりにしないから!!」

 川は2人をのみ込んだ。

 『...気分はどうですか?1週間も意識不明だったんですよ?交通事故で...目が覚めて良かった...それと、お腹の子も無事です...。はい、おめでたです。本当に奇跡です』

 全てを察し、涙が溢れた。
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公開:25/04/29 22:28
更新:25/05/02 12:34

甘露

真面目にのほほんと書いていけたらと思っております。
下手の横好きですが、宜しくお願い致します。

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