約束のない待ち合わせ

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 静かな朝。バス停には自分を含めて3人。

 いつも一番乗りの女子高生。
 まだ寝ぼけ頭の自分。
 無精髭と眉間に深いシワのおじさん。

 多分3人とも思ってる。『今日もいる』と。でも『おはようございます』と言えるほどの積極性は持っていない。多分3人とも。

 また朝が来て、またバス停。いつもと同じかと思ったら違った。

 おじさんがいない。

 珍しいなと思いながら横目で見るとバスが見えてきた。何故かそわそわする。自分は間に合ってるのに。
 バスが着いて扉が開く。女子高生が後方を見て『あ』という顔をする。つられて振り返ると、おじさんが来た。

 駆け足でバス停に着いたおじさんを見て、ホッとしている自分がいる。
 頼まれてないのに息を整えるおじさんを2人で待つ。
 会釈をすると眉間のシワが消え、柔らかい表情で会釈してくれた。
 女子高生とも会釈をして、3人いつものバスに乗り込んだ。
その他
公開:25/04/29 13:06
更新:25/04/29 13:08

甘露

真面目にのほほんと書いていけたらと思っております。
下手の横好きですが、宜しくお願い致します。

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