旅する箱庭

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 散歩をしていたら空き地を見つけた。
 そんな時いつも考える。

 『ここには何があったっけ?』

 いつも通っていたはずなのに思い出せない。
 そして無くなってからその場所を思う。

 確かにあった存在。でもきっとすぐ新しいものが生まれる。そしてそれは『日常』となり、見慣れて、同化して、また忘れる。

 更地になって間もないであろうその区画に、確かに人がいた気配を嗅ぎ取り鼻を啜る。寂しいような切ないような気持ちを噛み締めて。

 それは空き地にあった日常に対してか。
 自分の都合の良さに対してか。

 きっとまた空き地を見つけたら同じ事を思うだろう。
 そしてまた『新たな日常と旅立ち』を考えて歩き出す。
その他
公開:25/04/26 22:43
更新:25/04/26 22:55

甘露

真面目にのほほんと書いていけたらと思っております。
下手の横好きですが、宜しくお願い致します。

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