天狗橋
4
6
その川の上には、一本の丸木の橋が架けられています。そこを渡る時、おじいさんが孫に言いました。
「この橋には面白い逸話があってねぇ。昔この村に自慢話が好きな爺さんがいたんだと。中身は自慢話だし、同じ話を何度も繰り返す。しだいに村人は爺さんに近寄りもしなくなって行った」
「それで?」
「ある時、それを天から見ていてよく思わなかった神様が爺さんの天狗になった鼻を本当に引き延ばして、この川の上に架けたんだ」
「そんなことができるの?」
「ああ、神様はできるんだろうなあ。それでな、爺さんは鼻だけ橋になったまま、最期の時を迎えようとしていた」
「うんうん!」
「だけど爺さん、地獄行きを予感して、もっとこっちで徳を積んでから逝くと言い張った。つまりだな、この橋は、どんなに揺れても人を落とすことはないってことをおまえに言いたかったんだ。でなきゃちゃんと見ている神様に地獄に落とされてしまうからな」
「この橋には面白い逸話があってねぇ。昔この村に自慢話が好きな爺さんがいたんだと。中身は自慢話だし、同じ話を何度も繰り返す。しだいに村人は爺さんに近寄りもしなくなって行った」
「それで?」
「ある時、それを天から見ていてよく思わなかった神様が爺さんの天狗になった鼻を本当に引き延ばして、この川の上に架けたんだ」
「そんなことができるの?」
「ああ、神様はできるんだろうなあ。それでな、爺さんは鼻だけ橋になったまま、最期の時を迎えようとしていた」
「うんうん!」
「だけど爺さん、地獄行きを予感して、もっとこっちで徳を積んでから逝くと言い張った。つまりだな、この橋は、どんなに揺れても人を落とすことはないってことをおまえに言いたかったんだ。でなきゃちゃんと見ている神様に地獄に落とされてしまうからな」
公開:25/04/16 08:38
ログインするとコメントを投稿できます