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ある日ある時、恋してしまった。
うちは代々続く弓道の名家だ。
帰宅すると、門下生たちが道場に向かっていくのが目に入った。
同級生の女の子が来ていて、弓の腕は僕よりも上だし、弓を引く姿はかっこいい。
弓道場は表向きで、本当は「天士」の修練場だ。
人と人とを繋ぐ役目で、恋のキューピッドなんて呼ばれることもある。
天士は、名前を書いた特殊な矢を打ち、当たった人と結ぶという力を持つ。
この子に、自分の名を書いた矢を当てれば──。
悩んだ末にやってみたが、天士の力は自分には使えないと知った。
人を結びつけることは日々やっているのに、理不尽だなと思った。
数日後、勇気を出してその子に話しかけた。
快活で、くるくると表情が変わり、話を丁寧に聴いてくれた。
そして気づいたのだ。
天士の矢は、惚れ薬ではなくて、お互いのいいところが見えるようになる。
そのきっかけを作るものだ、ってことに。
うちは代々続く弓道の名家だ。
帰宅すると、門下生たちが道場に向かっていくのが目に入った。
同級生の女の子が来ていて、弓の腕は僕よりも上だし、弓を引く姿はかっこいい。
弓道場は表向きで、本当は「天士」の修練場だ。
人と人とを繋ぐ役目で、恋のキューピッドなんて呼ばれることもある。
天士は、名前を書いた特殊な矢を打ち、当たった人と結ぶという力を持つ。
この子に、自分の名を書いた矢を当てれば──。
悩んだ末にやってみたが、天士の力は自分には使えないと知った。
人を結びつけることは日々やっているのに、理不尽だなと思った。
数日後、勇気を出してその子に話しかけた。
快活で、くるくると表情が変わり、話を丁寧に聴いてくれた。
そして気づいたのだ。
天士の矢は、惚れ薬ではなくて、お互いのいいところが見えるようになる。
そのきっかけを作るものだ、ってことに。
ファンタジー
公開:25/04/13 09:33
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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