動き続ける都市

0
3

田舎育ちで、人の多い都会が苦手だ。

ホームに降り立つと、やはりめまいがした。
ひっきりなしに電車が行き来し、往来も多い。
ぼんやりと眺めていると、懐かしい顔がやってきた。
都会に引っ越した、旧知の友人だ。

すぐに次の電車がきて、中に入ると居間だった。
事実、彼の家の「一部」だったのだ。

この街は満員電車対策として、膨らむ電車を導入していた。
混むと前後左右に広がるという。
今では、家の一部に車輪付きの部屋があり、他の電車に連結できる。
自室にいながら、移動ができるのだ。

程なくして、ドアが開いた。着いたらしい。
出ると、知らない家族がいた。

わかったのは、間違った家に連結されたということだった。

窓から出ると、別の家。
そこを通って出ると、押し入れに出た。

巨大迷路と化した街を出たのは、一ヶ月ほど過ぎてからだ。

帰宅後も、扉を開けるのが怖くなってしまった。
都会は苦手だ。
ファンタジー
公開:25/04/04 09:38

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容