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庭のミカンの木に実がなった。
食べて、驚いた。
リンゴ味だった。
友人に配ると、買いたいという人も現れた。
おかげでひと財産になった。
種を植えたという話を聞き、私も育ててみることにした。
これで食べていけるかもしれないと思った。
木が育ち、初めて実をつけた頃、私は壮年になっていた。
だが──実も味も、ミカンだった。
数十年の努力が無駄になったと落ち込んだ。
育てていた仲間に、結果を伝えあった。
聞けば、どこも同じ。
リンゴ味のミカンは、あの一度きりだったのだ。
人生の目的を失い、呆然と木を見つめていた。
すると、来客があった。
庭の木の種から育ったミカンを持って来てくれたのだ。
努力の結果、多種多様なミカンになっていた。
それを食べながら、思い出話に花が咲いた。
ふと気づく。
お金のためにと始め、その目的は達せなかったが。
庭の木は私に、仲間という果実をくれたのだ。
食べて、驚いた。
リンゴ味だった。
友人に配ると、買いたいという人も現れた。
おかげでひと財産になった。
種を植えたという話を聞き、私も育ててみることにした。
これで食べていけるかもしれないと思った。
木が育ち、初めて実をつけた頃、私は壮年になっていた。
だが──実も味も、ミカンだった。
数十年の努力が無駄になったと落ち込んだ。
育てていた仲間に、結果を伝えあった。
聞けば、どこも同じ。
リンゴ味のミカンは、あの一度きりだったのだ。
人生の目的を失い、呆然と木を見つめていた。
すると、来客があった。
庭の木の種から育ったミカンを持って来てくれたのだ。
努力の結果、多種多様なミカンになっていた。
それを食べながら、思い出話に花が咲いた。
ふと気づく。
お金のためにと始め、その目的は達せなかったが。
庭の木は私に、仲間という果実をくれたのだ。
ファンタジー
公開:25/02/28 09:33
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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