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仕事部屋で天井を見上げ、ため息をつく。
机にはボツ原稿のプリントアウトが積まれていた。
私は、プロの脚本家だ。
幼いころ、絵本に触発されて物語を書き始めた。
書き終わるたび、なぜかサメが現れて「上ーー手!」と褒めてくれた。
今思うと、想像と現実がごっちゃになっていたのだろう。
でも、想像のサメは、書くものを褒めてくれた。
それは、私の心に火を灯し、やがてプロになった。
名作を超えるものを世に出すために努力した。
いつも、誰かと競っていた。
けれど成功しないまま、月日が経過した。
やがて心労で倒れ、療養のため実家へ戻った。
大好きな祖母の墓参に行き、報告をしたところ、あのサメが現れた!
「頑張ったのね。けれど、ずいぶん辛そう」
そう告げた。
「比べるのは、昨日のあなただけ。昨日のあなたより上手になれば、素敵よ」
その声は──懐かしい、祖母のものだった。
机にはボツ原稿のプリントアウトが積まれていた。
私は、プロの脚本家だ。
幼いころ、絵本に触発されて物語を書き始めた。
書き終わるたび、なぜかサメが現れて「上ーー手!」と褒めてくれた。
今思うと、想像と現実がごっちゃになっていたのだろう。
でも、想像のサメは、書くものを褒めてくれた。
それは、私の心に火を灯し、やがてプロになった。
名作を超えるものを世に出すために努力した。
いつも、誰かと競っていた。
けれど成功しないまま、月日が経過した。
やがて心労で倒れ、療養のため実家へ戻った。
大好きな祖母の墓参に行き、報告をしたところ、あのサメが現れた!
「頑張ったのね。けれど、ずいぶん辛そう」
そう告げた。
「比べるのは、昨日のあなただけ。昨日のあなたより上手になれば、素敵よ」
その声は──懐かしい、祖母のものだった。
ファンタジー
公開:25/08/04 10:07
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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