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ゆっくり舟が進んでいる。
微かな水音だけを響かせて。
顔を上げると、霧が立ち込めて遠くが見えない。
俺は死んだのか。
ゆっくりと振り返ると、真っ黒い布で全身を覆った船頭らしき者が舟を漕いでいる。死神かもしれない。
こんなに呆気ないものなのか。
悔しいような寂しいような思いが湧き上がり、死神に問いかけた。
「なぁ、もう少し待ってくれないか?」
「今日は妻と出かける日なんだ」
「頼む。もう少しだけ…」
霧が晴れてくる。
「あなた大丈夫?」
目を開けると、妻が覗き込んでいた。いつもの公園だ。
「いつの間にか眠ってるんですもの。こっくりこっくりと舟を漕いでらっしゃいましたよ」
そう言いクスクス笑っている。
舟は漕がずに乗っていたんだが。
…ああ。まだ大丈夫だ。
俺は静かに笑った。
因みに妻がボートに乗ろうと言ったが断った。
微かな水音だけを響かせて。
顔を上げると、霧が立ち込めて遠くが見えない。
俺は死んだのか。
ゆっくりと振り返ると、真っ黒い布で全身を覆った船頭らしき者が舟を漕いでいる。死神かもしれない。
こんなに呆気ないものなのか。
悔しいような寂しいような思いが湧き上がり、死神に問いかけた。
「なぁ、もう少し待ってくれないか?」
「今日は妻と出かける日なんだ」
「頼む。もう少しだけ…」
霧が晴れてくる。
「あなた大丈夫?」
目を開けると、妻が覗き込んでいた。いつもの公園だ。
「いつの間にか眠ってるんですもの。こっくりこっくりと舟を漕いでらっしゃいましたよ」
そう言いクスクス笑っている。
舟は漕がずに乗っていたんだが。
…ああ。まだ大丈夫だ。
俺は静かに笑った。
因みに妻がボートに乗ろうと言ったが断った。
その他
公開:25/07/18 17:55
更新:25/07/18 18:00
更新:25/07/18 18:00
真面目にのほほんと書いていけたらと思っております。
下手の横好きですが、宜しくお願い致します。
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