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 ふと道路脇に目をやると、作業服を着た2人組が紫陽花の剪定をしていた。窓を開けて声をかける。「紫陽花ももう終わりですね!」
 と、作業員の一人がこちらを振り返り、笑顔でこう言った。「いえいえ、まだまだ!これからですよ!」
「これから?」
 不思議に思っていると、もう1人の作業員が「よいしょ!」と小脇に抱えた籐籠を持ち上げた。次の瞬間だった。
 どどーん!
 爆音と共に、紫陽花が宙を舞った。それは空に昇ると花火になり、おれはおもわず声を漏らしていた。「き、きれいだ……」
「まだまだ!」
 どどーん!
「もういっちょ!」
 どどーん!
 しばらく紫陽花打ち上げ花火を楽しむと、作業員がこっちに来た。「これで最後です」
 チリチリチリ。
 花火大会のクライマックスは、なんと愛らしい手持ち紫陽花花火だった。
「たーまやー……」
 つい口に出すと、作業員の顔にも笑顔の花が咲き誇った。
公開:25/06/24 19:00

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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