服に困るサンマ
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草木も眠る丑三つ時、サンマの大名行列が城へと向かっていく。先頭を行くのは世話役のチョウチンアンコウ。頭のちょうちんが足元の悪い皆の道をぼんやりと照らす。と、チョウチンアンコウは一匹のサンマの異変に気づき、声をかけた。それは城で待つ殿の食事係、食べられる係の者だった。
「緊張しておるか?」
情けないと思いながら、だが柔らかく言う。
「案ずるな。サンマは殿の好物だ。それとも、いやなのか?食べれられるのが」
「違うのです、チョウチンアンコウ様」
サンマは顔を上げて言ったが、言葉は続かない。が、何も言わずとも、サンマの悩みはすぐにわかった。夜が明け、その姿が露わになったのだ。サンマの濃紺の裃はぼろぼろで、真っ白な裸体がちらほら見えていた。呆気に取られるチョウチンアンコウに、サンマは言った。
「美味しく頂いてほしくて少々身を焼きすぎてしまいまして、このような姿を晒してよいものかと……」
「緊張しておるか?」
情けないと思いながら、だが柔らかく言う。
「案ずるな。サンマは殿の好物だ。それとも、いやなのか?食べれられるのが」
「違うのです、チョウチンアンコウ様」
サンマは顔を上げて言ったが、言葉は続かない。が、何も言わずとも、サンマの悩みはすぐにわかった。夜が明け、その姿が露わになったのだ。サンマの濃紺の裃はぼろぼろで、真っ白な裸体がちらほら見えていた。呆気に取られるチョウチンアンコウに、サンマは言った。
「美味しく頂いてほしくて少々身を焼きすぎてしまいまして、このような姿を晒してよいものかと……」
公開:24/10/02 23:07
更新:24/10/02 23:27
更新:24/10/02 23:27
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