WANTED
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電柱にまた一枚、指名手配の紙が貼られた。人々は寄り集まり、首を傾げつつ去っていく。二人以上で去る者らの会話。「こないだも、別の男が指名手配されてたよな」それに答えるもう1人。「嫌だわ、この穏やかな町で、指名手配犯続出なんて」
やがてふたりは別れる。とたんに小走りで走り出す女。家へと急ぐと、玄関に配達員がいた。女は微笑む。「ありがとう。欲しかったのよ、これ」
家へと入り、急ぎ荷物を解く。自然に口の端が上がる。
「これでまた、町中の指名手配ポスターは意味をなくしたな」
女ーーいや、先ほどまで女だった男は呟き、次号の『顔パーツカタログ』をパラリとめくる。
やがてふたりは別れる。とたんに小走りで走り出す女。家へと急ぐと、玄関に配達員がいた。女は微笑む。「ありがとう。欲しかったのよ、これ」
家へと入り、急ぎ荷物を解く。自然に口の端が上がる。
「これでまた、町中の指名手配ポスターは意味をなくしたな」
女ーーいや、先ほどまで女だった男は呟き、次号の『顔パーツカタログ』をパラリとめくる。
公開:24/09/05 18:53
Wanted
指名手配
欲しかった
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