しゃぼん駅
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仕事帰り。駅に行こうとしたら、バス停の前に行列ができていた。
「すみません、この列は……?」
声をかけた若い男は振り向き、
「みんな、シャボン玉を待っているのですよ。おたくは初めてで?」
「え、ええ、まあ」
シャボン玉を待つ?いったい何を言っているんだ?
不思議に思っていると、男の一人前の人がこちらに「お先に」と会釈をした。その時だった。おれは不思議なな光景を見た。その人がシャボン玉の中に入り、ふわふわと浮いてしまったのだ。その人ばかりではない。若い男も「あ、来た」と言ってシャボン玉に入ろうとしている。
「シャボン玉が来たら、行きたい場所を思い浮かべ、念じてください。では、素敵な旅を」
そう言って、ゆっくりとどこかへ行く若い男。時折顔が輝いて見えるのは、景色に感動しているのか。
「空からの景色、どんなだろうな」
おれは夢想する。そしてついにおれにもーー
「あ、来た」
「すみません、この列は……?」
声をかけた若い男は振り向き、
「みんな、シャボン玉を待っているのですよ。おたくは初めてで?」
「え、ええ、まあ」
シャボン玉を待つ?いったい何を言っているんだ?
不思議に思っていると、男の一人前の人がこちらに「お先に」と会釈をした。その時だった。おれは不思議なな光景を見た。その人がシャボン玉の中に入り、ふわふわと浮いてしまったのだ。その人ばかりではない。若い男も「あ、来た」と言ってシャボン玉に入ろうとしている。
「シャボン玉が来たら、行きたい場所を思い浮かべ、念じてください。では、素敵な旅を」
そう言って、ゆっくりとどこかへ行く若い男。時折顔が輝いて見えるのは、景色に感動しているのか。
「空からの景色、どんなだろうな」
おれは夢想する。そしてついにおれにもーー
「あ、来た」
公開:24/08/23 19:05
更新:24/08/23 19:07
更新:24/08/23 19:07
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