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ある街に、小さな博物館がある。
展示物は色とりどりの「泡」。
ガラスケースの中で宝石のように煌めいていた。
館長は世界で唯一の「泡の蒐集家」。
人が驚いたり笑ったりすると、泡が生まれる。
館長は泡を視認し、触れることができた。
そうして集めた泡を展示していた。
最大の展示物は、童話でも語られた人魚姫の泡だ。
さまざまな事件が勃発し、小さな街にも閉塞感が漂い始めた。
館長は、人魚姫の泡を手に外に出た。
手のひらで優しく包み込むと、涼しげな音を立ててはじけた。
泡のカケラは、風に乗って舞っていった。
それから数日して、街は熱気に溢れていた。
店は繁盛、生活は豊かになり、閉塞感は消えていった。
館長が割ったのは、バブル期に人々が持っていた熱狂だった。
あの頃の熱気は蘇らない。でも、別の形で作ることはできる。
泡は、良くも悪くも、いくらでも膨らむのだから。
展示物は色とりどりの「泡」。
ガラスケースの中で宝石のように煌めいていた。
館長は世界で唯一の「泡の蒐集家」。
人が驚いたり笑ったりすると、泡が生まれる。
館長は泡を視認し、触れることができた。
そうして集めた泡を展示していた。
最大の展示物は、童話でも語られた人魚姫の泡だ。
さまざまな事件が勃発し、小さな街にも閉塞感が漂い始めた。
館長は、人魚姫の泡を手に外に出た。
手のひらで優しく包み込むと、涼しげな音を立ててはじけた。
泡のカケラは、風に乗って舞っていった。
それから数日して、街は熱気に溢れていた。
店は繁盛、生活は豊かになり、閉塞感は消えていった。
館長が割ったのは、バブル期に人々が持っていた熱狂だった。
あの頃の熱気は蘇らない。でも、別の形で作ることはできる。
泡は、良くも悪くも、いくらでも膨らむのだから。
ファンタジー
公開:24/08/20 11:28
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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