鳥
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夏風邪を引いた。徹底した健康管理も追いつかないほどに歳をとってしまったんだと悲しくなる。
「ひ、ひ、………ヒィックショイッ!」
盛大にくしゃみをする。鳥肌が立つ。やばい!と思い出したのは、前にくしゃみをしてぎっくり腰になったという友人の話。
「ああ、おれもいよいよ、ぎっくり腰デビューか……」
みずからショックの上塗りをしていたが、腰が痛くなる気配はなかった。が、何かおかしい。見えるものすべてが、巨大化したのだ。
「な、なんだ?何が起こった!」
巨大なテレビのリモコン、巨大なテーブルと椅子。それらを掻い潜りつつ、おれは興奮して暴れ回る。その時だった。誰かの声がして、おれはそいつに捕まってしまった。それは、娘だった。「ママ!この子、迷い込んでた!飼ってもいいっ?」
母親ーー妻が返事をする前に、娘がおれに言った。「よろしくね、ぴーちゃん」
ぎっくり腰のほうがよかったと、おれは思った。
「ひ、ひ、………ヒィックショイッ!」
盛大にくしゃみをする。鳥肌が立つ。やばい!と思い出したのは、前にくしゃみをしてぎっくり腰になったという友人の話。
「ああ、おれもいよいよ、ぎっくり腰デビューか……」
みずからショックの上塗りをしていたが、腰が痛くなる気配はなかった。が、何かおかしい。見えるものすべてが、巨大化したのだ。
「な、なんだ?何が起こった!」
巨大なテレビのリモコン、巨大なテーブルと椅子。それらを掻い潜りつつ、おれは興奮して暴れ回る。その時だった。誰かの声がして、おれはそいつに捕まってしまった。それは、娘だった。「ママ!この子、迷い込んでた!飼ってもいいっ?」
母親ーー妻が返事をする前に、娘がおれに言った。「よろしくね、ぴーちゃん」
ぎっくり腰のほうがよかったと、おれは思った。
公開:24/08/16 14:21
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