洗濯カゴの実る木

洗濯カゴが壊れた。

大学生時代に買ったもので、二十年選手だ。
無いと意外に不便で、ホームセンターで買うことにしたのだが。
どこに行っても品切れ。
猛暑の影響で収穫量が激減したという。

材料が不足していると思ったら違うようだ。
洗濯カゴは木に実るものだという。
興味がわいたので、木を見に行くことにした。

中央線に揺られて西へ。途中乗り換え、山奥の終着駅で降りる。
バスに乗り換え、さらに奥地へ。道沿いの木に色とりどりの実がなっていた。
よく見ると、大小さまざまな洗濯カゴだ！

製造元である工場で話を聞いた。
工場のある村は桃太郎のモデルになった場所で、桃が流れてきた川があるという。
桃太郎が生まれた桃には実は種があり、それを植えて生長した木が、洗濯カゴの木だそうだ。
とれたての洗濯カゴを買って帰った。

ところで。
一緒に洗濯カゴの木の種をもらったのだが、どうするか思案中だ。