蔵活
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大ホールのむこう。3番さんのテーブルは今日も騒がしい。
「ねえ、あなたはどんなお酒が好き?」
「私はやっぱり、香りが良いお酒ね。ちょっとフルーティーなのがいいわ」
「私は美しいお酒が好きだわ。透明透き通るようなお酒も好きだし、まっしろふわふわなにごり酒もいいわね」
「透明?にごり?あら、奥様普通ね。」
「普通?普通って何よ」
「だって普通じゃない、そんなの。私はやっぱりお色が映えるお酒になりたいわ」
「なにそれ、聞いたことない」
「だからいいんじゃない、そこから始まるのよ、流行って」
「何が流行よ。まだひよっこのくせに」
「なによ?」
「やるの⁉︎」
「親方!あれです、あれ!」
「ああ、またあの樽か。よし、あれはもう、樽ごと廃棄だな」
どうしてあの樽だけ発酵具合が強いかなあ?ーー親方たちは首を傾げながら、蔵を出て行った。
「ねえ、あなたはどんなお酒が好き?」
「私はやっぱり、香りが良いお酒ね。ちょっとフルーティーなのがいいわ」
「私は美しいお酒が好きだわ。透明透き通るようなお酒も好きだし、まっしろふわふわなにごり酒もいいわね」
「透明?にごり?あら、奥様普通ね。」
「普通?普通って何よ」
「だって普通じゃない、そんなの。私はやっぱりお色が映えるお酒になりたいわ」
「なにそれ、聞いたことない」
「だからいいんじゃない、そこから始まるのよ、流行って」
「何が流行よ。まだひよっこのくせに」
「なによ?」
「やるの⁉︎」
「親方!あれです、あれ!」
「ああ、またあの樽か。よし、あれはもう、樽ごと廃棄だな」
どうしてあの樽だけ発酵具合が強いかなあ?ーー親方たちは首を傾げながら、蔵を出て行った。
公開:24/05/11 08:00
更新:24/05/11 06:09
更新:24/05/11 06:09
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