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 ある日の夜、息子に言われた。
 ママ、明日からもう、送り迎えはいいよーーって。
突然のことで驚いたけれど、なるほど息子ももう小学3年生。思えば過保護が過ぎたかなと思う。
 が、息子の成長を嬉しく、さみしく思うのも事実で
「どうして?遠慮しなくていいのよ。ママ忙しそうだから、とか」
 そう言ってみれば、いいや違うよという。そうして食事を一旦やめ、私も連れ出されたところは玄関で、息子はあるものを指さして言った。
「最近、カエルの声を聞かないんだ。姿も見ない。ぼく友達だったから、さみしいの」
 言いながらさらに近寄って示したのは母の傘。私の母、息子からすればおばあちゃんから受け継いだ蛇の目傘だ。ああ、と合点がいく。
「蛇に睨まれた蛙か」
公開:24/05/13 07:49

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