名付け親
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同窓会に行くと、見覚えのない人に声をかけられた。
「オレだよオレ!原口!」
それは高校時代の親友、原口だった。だが原口は「デブの原口」と呼ばれていたはずだが。
「おまえ、すっかり痩せたなあ!そのダイエット法、教えて欲しいよ!」
そう言うオレは学生時代、「学園のプリンス」と呼ばれるイケメンだった。というのにオレと原口、今ではすっかり正反対になっていた。
「教えてもいいが、あまりお勧めはしないな」
彼は渋りながらも教えてくれた。大事なのは自分が食べるものに名前を書くこと、らしい。
「名前を書く?それって『オレが食べる!』っていうアピールだろ」
「ああ、ほら、名付け親、っていうだろ?」
「あー、親が生まれた我が子に名前つけるのな。」
「そう、それがさ……」
ここで原口は異様に暗い顔になる。
「オレが食べようとすると、食べ物から声が聞こえてくるんだよ。『パパ、パパッ!』って」
「オレだよオレ!原口!」
それは高校時代の親友、原口だった。だが原口は「デブの原口」と呼ばれていたはずだが。
「おまえ、すっかり痩せたなあ!そのダイエット法、教えて欲しいよ!」
そう言うオレは学生時代、「学園のプリンス」と呼ばれるイケメンだった。というのにオレと原口、今ではすっかり正反対になっていた。
「教えてもいいが、あまりお勧めはしないな」
彼は渋りながらも教えてくれた。大事なのは自分が食べるものに名前を書くこと、らしい。
「名前を書く?それって『オレが食べる!』っていうアピールだろ」
「ああ、ほら、名付け親、っていうだろ?」
「あー、親が生まれた我が子に名前つけるのな。」
「そう、それがさ……」
ここで原口は異様に暗い顔になる。
「オレが食べようとすると、食べ物から声が聞こえてくるんだよ。『パパ、パパッ!』って」
公開:24/05/03 08:00
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