ジンベエ灯

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 水族館で働いている友人は、部屋の電気にジンベエザメを使用していた。どういうことかというと、天井のど真ん中にジンベエザメがくっついているのだが、例のドット柄のひとつひとつが点灯管だというのだ。ドット柄は白いからよいのだが、全体に濃い青の身体をしているため、彼の部屋はいつだって暗かった。
 ある時、連日の悪天候が祟って、町が一斉停電した。その時ちょうど彼の家にいた私は、真っ暗になった部屋の中、昼間の明るさのおかげで見える友人の表情が暗いのを見た。どうした?と尋ねる。
「いや、ジンベエ灯は貴重品なんだ。意外に高価で、小判でしか買えないんだよ」
 コバンザメくっついてないや。友人は不思議なことを言っていた。
公開:24/04/30 04:44

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