膝
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大学の友人たちとサークルを作った。登山同好会である。言い出したのは、おれの幼馴染。奴は小さいころから登山が好きで、趣味のないおれはよく登山に誘われていた。
そんな奴に異変が現れていたとは知らなかった。異変は離れていた高校時代からだという。
それはサークル活動一発目の登山の時だった。皆が疲れ始め、口数が減ってきた時だ。後方で、誰かの笑い声がしたんだ。それは奴の膝だった。奴の膝頭がぱっくりと開き、大声で笑っていた。不気味だったが、おれたちは面白がった。たぶん、疲れで頭がおかしくなっていたんだと思う。誰がいちばん奴の膝を笑わせられるか、勝負となった。
おかしな勝負は登山のたびにやった。が、長くは続かなかった。奴がサークルを休みがちになったのだ。
「おまえ幼馴染だろ。何か聞いてないのか」
サークル仲間に、おれは答えた。
「ドクターストップがかかったんだ。膝を笑わせすぎだ、って。」
そんな奴に異変が現れていたとは知らなかった。異変は離れていた高校時代からだという。
それはサークル活動一発目の登山の時だった。皆が疲れ始め、口数が減ってきた時だ。後方で、誰かの笑い声がしたんだ。それは奴の膝だった。奴の膝頭がぱっくりと開き、大声で笑っていた。不気味だったが、おれたちは面白がった。たぶん、疲れで頭がおかしくなっていたんだと思う。誰がいちばん奴の膝を笑わせられるか、勝負となった。
おかしな勝負は登山のたびにやった。が、長くは続かなかった。奴がサークルを休みがちになったのだ。
「おまえ幼馴染だろ。何か聞いてないのか」
サークル仲間に、おれは答えた。
「ドクターストップがかかったんだ。膝を笑わせすぎだ、って。」
公開:24/04/05 03:40
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