永久遊園
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小夜子はよく学校をサボって家の近所にあるスノードームの専門店に行った。
棚に並べられたガラスのドームの中に再現された小さな世界を眺めているだけで、苦手な勉強のことや煩わしい交友関係を忘れることができた。彼女が特に気に入っていたのは世界各地の遊園地を模したスノードームだった。手にとって逆さに振ると雪の代わりに星屑がキラキラと輝きながら夢の園に降り注ぐ。
(こんな世界に行けたらいいのに……)
溜息をつく小夜子の肩を店主の老人がそっと叩いた。驚く彼女に老人は言う。
「そのスノードームは私の作品なのです。今、新作を作っているのですが、少し手伝ってくださらんか」
小夜子は頷くと、老人の後に続いて店の奥の工房へと消えた。
数日後、店の棚には新たなスノードームが並べられた。星屑舞う小さな遊園地では小夜子にそっくりの陶器の人形が無邪気な笑みを浮かべて遊んでいた。
以来、彼女の姿を見た者はいないという。
棚に並べられたガラスのドームの中に再現された小さな世界を眺めているだけで、苦手な勉強のことや煩わしい交友関係を忘れることができた。彼女が特に気に入っていたのは世界各地の遊園地を模したスノードームだった。手にとって逆さに振ると雪の代わりに星屑がキラキラと輝きながら夢の園に降り注ぐ。
(こんな世界に行けたらいいのに……)
溜息をつく小夜子の肩を店主の老人がそっと叩いた。驚く彼女に老人は言う。
「そのスノードームは私の作品なのです。今、新作を作っているのですが、少し手伝ってくださらんか」
小夜子は頷くと、老人の後に続いて店の奥の工房へと消えた。
数日後、店の棚には新たなスノードームが並べられた。星屑舞う小さな遊園地では小夜子にそっくりの陶器の人形が無邪気な笑みを浮かべて遊んでいた。
以来、彼女の姿を見た者はいないという。
ホラー
公開:24/04/21 23:55
遊園地
空想と妄想が趣味です。
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