あの観覧車のてっぺんで
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あの観覧車のてっぺんで、夕焼けが見えたら好きな人と両思いになれる。
噂を信じた私は、1人で観覧車に乗り込んだ。乗るのは1人で十分なんだ。なぜって、夕日が見えたら、あら不思議、いなかったはずの想い人が、ふと後ろにいるのだから。
「会えるかな?来てくれるかしら?」
不安を滲ませつつ遊具に乗り込む私の姿は、さぞ遊園地に不似合いだっただろう。係のお兄さんがそっと「がんばって」と囁いてくれた。
そうして回り始めた観覧車。少しずつ、少しずつ、上へ上へと上がっていく。そしてーー
「やった!夕焼けだ!」
見事な夕日に顔を照らされた時だった。背中で、声がした。
「来てくれたのね……!」
それは、もうこの世にはいない人。私の、想って、想って、想い続けている人。
「会いたかったわ!ーートラ!」
可愛い愛猫だったトラが私の胸に飛び込んできた。
にゃ〜。
噂を信じた私は、1人で観覧車に乗り込んだ。乗るのは1人で十分なんだ。なぜって、夕日が見えたら、あら不思議、いなかったはずの想い人が、ふと後ろにいるのだから。
「会えるかな?来てくれるかしら?」
不安を滲ませつつ遊具に乗り込む私の姿は、さぞ遊園地に不似合いだっただろう。係のお兄さんがそっと「がんばって」と囁いてくれた。
そうして回り始めた観覧車。少しずつ、少しずつ、上へ上へと上がっていく。そしてーー
「やった!夕焼けだ!」
見事な夕日に顔を照らされた時だった。背中で、声がした。
「来てくれたのね……!」
それは、もうこの世にはいない人。私の、想って、想って、想い続けている人。
「会いたかったわ!ーートラ!」
可愛い愛猫だったトラが私の胸に飛び込んできた。
にゃ〜。
公開:24/03/17 19:00
更新:24/03/17 19:07
更新:24/03/17 19:07
実話(猫の名)
だけど実話じゃない
完全創作です
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