ふれふれ坊主

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 晴れてほしい時、軒先なんかにてるてる坊主を吊るすと、明日は晴れるらしい。では、てるてる坊主を逆さに吊したら?そう、雨だ。名付けてふれふれ坊主だ。うん、我ながらいいネーミング。
 と、いうわけでベランダにそのふれふれ坊主殿を吊した。これで明日は雨、嫌な持久走大会は中止だ。どうだ、参ったか。ハッハッハ。 


 翌朝、僕は物音がして目が覚めた。よく聞くと、なにかの歌?掛け声?
 窓の方を見ると、気のせいだろうか?妙に眩しい……いや、気のせいではないな。
「降らんやん、雨」
 布団の中で憎々しげにつぶやく。しばらくしてバッ!と布団を剥がすと、走ってベランダに出た。ふれふれ坊主をむんずとつかむ。
「これならどうだ!」
 横倒し(くもり?)にされたふれふれ坊主が、困ったように歌っていた。
「フレーフレー、早田!」
公開:24/03/11 04:11

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