桜の卒業式
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同窓会の案内が届いた。春。こんな時に珍しいなと思った。
「でもまあ、この学校とももうお別れですし、呼ばれてよかったですね」
道で一緒になった職員と笑い合う。学校はこの三月で閉校となるのだ。
学校に近づくにつれ、懐かしい生徒の顔がちらほら見えてくる。私は言った。
「今日は招待ありがとう」
「……」
間があった。1人が言った。
「それがね、みんな自分じゃないって言うの、案内状出したの」
「君たちじゃない?じゃあ誰が……」
首を傾げると、向こうから男子生徒が走ってきた。
「大変だ!校庭の桜が……!」
私たちは慌てて学校に向かった。声が聞こえる。
「そっち、火はOK?」「ちょっと!この麺コシが強すぎないっ?」
桜の老木が蕎麦を打っていた。
「今までのお礼がしたくて」
1人の桜が言うと、続けてみんなが言った。
「いつまでもそばにいるよ!蕎麦だけに」
はじめて親父ギャグに泣けた。
「でもまあ、この学校とももうお別れですし、呼ばれてよかったですね」
道で一緒になった職員と笑い合う。学校はこの三月で閉校となるのだ。
学校に近づくにつれ、懐かしい生徒の顔がちらほら見えてくる。私は言った。
「今日は招待ありがとう」
「……」
間があった。1人が言った。
「それがね、みんな自分じゃないって言うの、案内状出したの」
「君たちじゃない?じゃあ誰が……」
首を傾げると、向こうから男子生徒が走ってきた。
「大変だ!校庭の桜が……!」
私たちは慌てて学校に向かった。声が聞こえる。
「そっち、火はOK?」「ちょっと!この麺コシが強すぎないっ?」
桜の老木が蕎麦を打っていた。
「今までのお礼がしたくて」
1人の桜が言うと、続けてみんなが言った。
「いつまでもそばにいるよ!蕎麦だけに」
はじめて親父ギャグに泣けた。
公開:24/03/13 17:06
#研究室ライブ
蕎麦を振る舞う桜
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