砂の魔女

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広大な砂漠に囲まれた、とある小国。
何もない砂漠で、この国だけは豊かに成長していた。

この国には、砂の魔女と呼ばれた魔法使いがいた。
念じたものを砂に変える魔法を使った。

魔女がいたころ、この国は緑豊かだったと伝えられている。
だが、あるとき戦争が起き、時の王は魔女を戦争へと向かわせた。
敵軍を砂に変え、無力化するためだ。
戦いは長引いた。
最後の手段として、国の回りのあらゆるものを砂に変え、進軍を止めることとなった。

計画は成功し、戦争は終結した。
それ以来魔女を見た者はいない。
一説には彼女自身が砂となり、国を包み、今なお守護しているのだという。

終戦の日には、砂の魔女の功績をたたえて祭りが行われる。
魔女が好きだったパンで、その年に取れた作物をはさんだものを、祭壇へとささげるのだ。
その食べ物は「サンド・ウィッチ」と呼ばれている。
ファンタジー
公開:24/03/04 11:18

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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