チケット
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夏休み。息子のリクエストで、本日公開の映画を見にやってきた。
「大人二枚。こども一枚。お願いします」
妻に頷き返しながら、おれは財布を開く。すると、係員が言った。
「まことに申しわけありませんが、お客様のご入場は致しかねます」
「は?」
どういうことだと聞き返そうとしたら、隣で息子が声を上げた。「パパ見て!かわいい!」
息子の指差す方を見る。と、虫眼鏡で見なければ見えないくらいの小さな人が、「よいしょ、よいしょ」と壁を登っていた。そうして係員の前に来ると、
「小人1枚!」
当然のように声を上げる。係員は先ほどとは違う態度で、
「お父さんが来たらね」
やがてやってきた「お父さん」に、息子は半泣きになる。
「大人一枚。小人一枚」
チケットを手に中へ入っていく大きな人と小さな人。
「人間の国だよな?ここ」
おれはまぬけなことを呟いた。
「大人二枚。こども一枚。お願いします」
妻に頷き返しながら、おれは財布を開く。すると、係員が言った。
「まことに申しわけありませんが、お客様のご入場は致しかねます」
「は?」
どういうことだと聞き返そうとしたら、隣で息子が声を上げた。「パパ見て!かわいい!」
息子の指差す方を見る。と、虫眼鏡で見なければ見えないくらいの小さな人が、「よいしょ、よいしょ」と壁を登っていた。そうして係員の前に来ると、
「小人1枚!」
当然のように声を上げる。係員は先ほどとは違う態度で、
「お父さんが来たらね」
やがてやってきた「お父さん」に、息子は半泣きになる。
「大人一枚。小人一枚」
チケットを手に中へ入っていく大きな人と小さな人。
「人間の国だよな?ここ」
おれはまぬけなことを呟いた。
公開:24/08/04 07:32
更新:24/08/04 07:33
更新:24/08/04 07:33
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