かまぼこ板
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高校生活最後の夏、おれは友達数人とサーフィンに出掛けた。そこでなんとも奇妙な光景を目にする。
目についたのは、女性だった。髪は透き通るような金色を靡かせ、肢体はほっそりとしなやか。美人だった。と、彼女が取り出したものに、おれは目を丸くする。それは手のひらサイズの小さな板だった。女性はそれを海に放ると、そこに飛び込んだ。とたんに大きくなる板。
(かまぼこ?)
奇妙だけれど、そう思った。その姿はまさしくかまぼこだった。黄色い板に薄桃の水着に白い肌の美女。もうかまぼこ以外の何にも見えない。
「なあにボーッとしてんだよ!」
からかうように、友人に小突かれる。と、友人が女性に声をかけに行った。ナンパだ。おれは驚いた。
あいつには見えていないのか?海の中に潜っていく彼女の体が、徐々に魚へと変貌していくのが。
目についたのは、女性だった。髪は透き通るような金色を靡かせ、肢体はほっそりとしなやか。美人だった。と、彼女が取り出したものに、おれは目を丸くする。それは手のひらサイズの小さな板だった。女性はそれを海に放ると、そこに飛び込んだ。とたんに大きくなる板。
(かまぼこ?)
奇妙だけれど、そう思った。その姿はまさしくかまぼこだった。黄色い板に薄桃の水着に白い肌の美女。もうかまぼこ以外の何にも見えない。
「なあにボーッとしてんだよ!」
からかうように、友人に小突かれる。と、友人が女性に声をかけに行った。ナンパだ。おれは驚いた。
あいつには見えていないのか?海の中に潜っていく彼女の体が、徐々に魚へと変貌していくのが。
公開:24/07/30 21:14
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