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『五輪書』の作者、宮本武蔵。その彼が現代に甦り、オリンピックに出ることが話題になった。出場競技はフェンシング。いざ決戦。全神経を剣先と相手に集中させる武蔵。「でやっ!」ひと声吠えて、剣を振り上げる。膝を落とし、一気の跳躍ーーと。ここで審判が試合をやめさせた。反則行為があったのだ、武蔵の方に。
「なぜじゃ!上段構えは、違反行為ではないず……」
「これはフェンシングだ、ムサシ。あなたの頃の、刀とは違う」
 外国人審判の言葉は、武蔵にはわからなかった。抗議したい。リベンジしたい。が、もう時間がなかった。何も知らない子孫の枕元に立った武蔵は子孫に現代の剣の真髄を記した書物を書けと命じ、悔しいながら、再び黄泉の国に帰ったのであった。
公開:24/07/27 08:58
もしも 宮本武蔵が オリンピックに出場したら?

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