我の想い、ほおずきに隠して

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 七日七晩、宴は続く。不肖ながら、私もその末席に連ねていただいた。
 途中、外に出る。障子の音が、いやに響く。
「ほお、これは…」
 見上げる空に、天の川。そうか、今宵は七夕か。
「なんとまあ……!」
 聞こえた声。振り向くとそこに、狐の姫ーー私の主人だ。
「嬢、よろしいのですか?主役が席を外して」
「よい」
 短く応えると嬢はその細い指を伸ばした。つられてそちらを見れば、なんと見事な笹飾りが。
「……ん?」
 中にある短冊を見つけ、目を見張る。
〝般若が幸せになりませんように 銀〟
「嬢、これは……?」
「般若!」
「はいっ!」
「そなたは、幸せになどなるな。そなたは終生、私だけのものだ。よいな!」
 はて、それは……?
「お早く戻りませ、旦那様がお待ちですーー女狐殿」
「誰が女狐じゃ!」
 清々しく言い放ち、戻っていった嬢。白狐に抱きついている。
 ほおずきの灯が、淡く揺れた。
公開:24/07/07 19:02
更新:24/07/07 20:31
ほおずきの花言葉 偽り ごまかし 悲恋話が好きで ごめんなさい #SSGすみれ祭り

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