たまねぎレンズ
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ばあちゃんに付き合って行っためがね屋さんで、不思議なものを見た。
「これではどうでしょう?」
店員さんの声に振り向くと、椅子に座ったお客さんが、検査用メガネをつけていた。が、それが何かおかしい。よく見るとそれはたまねぎだった。お客さんの「うー?」とか「あー?」とか言う声に従って、店員さんが輪切り玉ねぎをひと輪ひと輪、付けたり外したりしていく。さっきから感じていたにおいは、あれだったんだ。
「さて、帰ろうか」
こっちはばあちゃんがいつのまにか補聴器の調整を終えていた。「約束通り、アイスを買ってあげようね。ママには内緒で」
いたずらっぽく人差し指を立てるばあちゃんにぼくは言う。
「いらない」
「え?」
「いらない、アイス」
だって、アイスを食べたら、今日リクエストしようとしているカレーが、入らなくなっちゃうもん。
「これではどうでしょう?」
店員さんの声に振り向くと、椅子に座ったお客さんが、検査用メガネをつけていた。が、それが何かおかしい。よく見るとそれはたまねぎだった。お客さんの「うー?」とか「あー?」とか言う声に従って、店員さんが輪切り玉ねぎをひと輪ひと輪、付けたり外したりしていく。さっきから感じていたにおいは、あれだったんだ。
「さて、帰ろうか」
こっちはばあちゃんがいつのまにか補聴器の調整を終えていた。「約束通り、アイスを買ってあげようね。ママには内緒で」
いたずらっぽく人差し指を立てるばあちゃんにぼくは言う。
「いらない」
「え?」
「いらない、アイス」
だって、アイスを食べたら、今日リクエストしようとしているカレーが、入らなくなっちゃうもん。
公開:24/06/12 08:58
においで食べたいものが
決まるってあるよね
田丸先生の
『大根侍』
を読んで
なぜか思いついたお話w
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