ビールのつまみ
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会社からの帰り。行ったことのない飲み屋を見つけた。その名も『ビールのつまみ』。
「ビールのつまみだって。クラフトビール専門店か?」
興味本位で暖簾をくぐると、奇妙な光景が目に入った。薄暗い店内に席はなく、あるのはジョッキの形をした、小さなつまみだけ。
「なんだこれ?」
つぶやくおれに答えるように、目の端にお品書きを見つける。
「なになに?『つまみ』を回してください。多種多様な、ビールのつまみをお出ししますーーつまみって、そういうことか!」
一回四百円。痛いが、いつも飲みに行っていることを考えれば同じだ。おれは機械に金を入れ、つまみを回した。
1回目。
「餃子!?枝豆じゃねえの!?」
2回目。
「ホットドッグ!?バカでしょ!」
3回目
「金時豆、いや近いけど!」
それから二時間ほど、おれは飲み屋で払う以上の金を使ってしまった。聞けばこの店、界隈の飲み屋より人気なのだそうだ。
「ビールのつまみだって。クラフトビール専門店か?」
興味本位で暖簾をくぐると、奇妙な光景が目に入った。薄暗い店内に席はなく、あるのはジョッキの形をした、小さなつまみだけ。
「なんだこれ?」
つぶやくおれに答えるように、目の端にお品書きを見つける。
「なになに?『つまみ』を回してください。多種多様な、ビールのつまみをお出ししますーーつまみって、そういうことか!」
一回四百円。痛いが、いつも飲みに行っていることを考えれば同じだ。おれは機械に金を入れ、つまみを回した。
1回目。
「餃子!?枝豆じゃねえの!?」
2回目。
「ホットドッグ!?バカでしょ!」
3回目
「金時豆、いや近いけど!」
それから二時間ほど、おれは飲み屋で払う以上の金を使ってしまった。聞けばこの店、界隈の飲み屋より人気なのだそうだ。
公開:23/10/11 10:55
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