ビールックキューブ

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「おまえにはまず、目を養ってもらう」
「目?」
「そう、目。『美味いビールを見定める目』だ」
 ビール職人としてキャリアを積んできた父。その父の言葉の意味を未だおれは掴めないでいる。
「ヤマさん!ちょっと」
 父が手招きで呼んだのはベテランの職人。
「坊、見てておくんなせえ」
ヤマさんはそう言うと、手に何かを持ち、それを見つめた。
「ルービックキューブ?」
 そう思ったが、見ているそれは似て非なるものだった。どこを見ても、緑色なのだ。
「見えた!」
突然、ヤマさんが叫ぶ。そうしていじられるルービックキューブ。ものの数分で、それは緑色から黄金色へと、変化していく。
「おやっさん、ジョッキと小皿を」
「あいよ」
 見事な連携プレー。ルービックキューブから黄金色の液体がジョッキへと注がれた。
「今日からよろしくな、坊!」
 緑色の「枝豆ルービックキューブ」をむしりつつ、ヤマさんは言った。
公開:23/10/08 11:05

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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